トヨタ社長の「カーボン批判」に疑問  文科系

トヨタの社長が標記のことを猛烈に叫び始めた。この批判論法に少々、疑問。「EV中心に早く替わりすぎれば、日本の場合は火力発電からCO2が増えるだけ」というのがその批判論法なのだが、この批判は正当な正攻法批判とは言えず、派生的問題での批判に過ぎないと言いたい。世界の趨勢を見誤り、時代に合う商品開発が遅れたと思い知って、慌てているだけではないのか。

 トヨタに言いたいのは、このこと。そもそも何故もっと早くにEVに切り替えずに、ハイブリッドなど化石燃料に拘っていたのかということだ。つまり、既得権益に拘っていて、開発イノベーションに遅れるということが既得権益大企業には時にあるものだが、その責任は自分自身にあるだろうということだ。それを「早すぎるノーカーボンは、日本の雇用を減らすだけ」とも批判しているのだが、このこと自身が自社の中長期計画の誤りを正当化しているに過ぎぬと僕には思われてならないのである。ちなみに、トヨタほどの力があれば、政府にこう迫って成果を上げることも十分にできたはずなのだ。「自動車もCO2なしにしていくから、できるだけ早く火力発電を再生エネルギーに切り替えよ。そうでないと、我々の大きな裾野も含めて、雇用が守れなくなる」

 ひょっとして、社内にもそういう声があったが、それを社長が抑えてきた? それでちょっと興奮している?