イラク国会決議に、トランプが恫喝 文科系

 イラクはもはや、アメリカの植民地である。そして、その植民地政策の残忍さは目を覆うようなものと、日本人も世界も知るべきである。そのことが、イラン司令官ガセムスレイマニ殺害事件と、その後のイラク国会とアメリカとのやりとりとによって、世界に対してこのように、白日の下にさらされたのである。

 スレイマニ殺害に対してイラク国会が「外国軍はイラクから出て行け!」と決議したのは、当然のことだ。自国のバクダッド空港で国賓とも言える人物を堂々と殺したのだから。ちなみに、外国高官殺害は国際法では戦争行為に当たるし、ましてやイスラムシーア派が中心のイラク国会では同じシーア派スレイマニは宗教上の同志でもある。正義の自営戦争にさえ繋がるこんな重大な国際法違反・戦争行為などをスレイマニ自身も夢にも思わなかったからこそ、死体もそれと分からぬほどに粉々に打ち砕かれてしまった!

 さて、このイラク国会「外国軍撤去決議」に対して、アメリカはどう応えたか。米英以外の外国軍は撤去し始めたのに、居残ると声明しただけではなく、トランプは、「高価な米軍基地があるのだから出て行くわけがない」と返した上に、こう言ってのけたのである。
「我々は彼らが今まで決して見たことがないような、(イラク)制裁を課すつもりだ。イラン制裁さえ、おだやかに見えるだろう」
「もし敵意があり、彼らが何であれ我々が不適当と見なすことをすれば」

 イラクはもはや、アメリカの奴隷国である。そしてこのことを、「トランプだからできたこと」と捉えてはならないと急いで言い添えたい。今のアメリカの世界戦略がそれほどに他国を無視してはばからないものになっているということだ。21世紀に現れた新たな帝国主義国。こんな国の「自由と民主主義」という叫びって、一体どんな意味があるのか? ということをこそ今、日本も世界も知るべきである。