安倍「桜」に、ある減刑小細工  文科系

安倍「桜を見る会」の政治資金規正法違反(不記載)事件は、見かけよりもはるかに重大、悪質なもの。国家功労者の功績を称えるとされた国家行事に、政治家達個人選挙の功労者を年々どんどん増やしていったというのだから。そのなかでも、安倍の選挙区である山口県人が特に増えていることについて高級ホテルで開いた前夜祭の貢献も大きかったという、その前夜祭費用計約3022万円の収支不記載が裁かれているのだから。

 この重大事件の元公設第1秘書を不起訴(嫌疑不十分)で略式起訴100万円罰金刑とした処分について、昨日19日、東京第五検察審査会が「不起訴不当」議決を公表した。検察審査会はこの議決で新たに、不起訴とされた15年分も併せて15~19年を不記載起訴対象とせよとしている。その部分を朝日新聞はこのように報道している。
『15年分の時効は成立していないが、山口県選挙管理委員会は特捜部が捜査を始めた時点で15年分の原本を廃棄。特捜部は立件対象を4年分に絞り、15年分を不起訴とした』
『原本が廃棄されていても他の証拠で(不記載の)事実を認定できる。不起訴とした裁定は市民感覚では納得できない』

 それにしても、山口県選挙管理委員会はなぜ15年分収支報告書原本を「捜査を始めた時点で廃棄」できたのだろうか。新聞で、こう学ぶことができた。これが今は合法だからである。「(収支報告書原本の)保存期間は3年」となっているのだから。ただし、政治資金規正法違反(不記載)罪の時効の方は5年となっているのだから、法自身が矛盾しているのだ。この矛盾を衝いて、15年分をないものにすることができたのである。今回は、この矛盾も東京第五検察審査会が裁いて、是正する法改正をも同時に求めている。

 それにしても、山口県選挙管理委員会はなぜ、法の精神を歪めたこんな姑息すぎるやり方をとったのか? 政治資金規正法違反罪の時効5年の方が、収支報告書保存期間3年よりも明らかに重大なものなのに。なお、検察審査会は、安倍ご本人の不起訴も妥当だったか否か、現在審査中である。この事件によって「桜を見る会」が取りやめになったほどに重大事件であるのに、この姑息! なんの反省も見られない首相と推察した。このことを僕は、いつまでも、しっかりと、覚えていたいと思う。